解法別難解ナンプレ 表紙デザイン
medium – book,
motivation – client work
client – 株式会社インテルフィン
cover design
出版社の株式会社インテルフィンより、『難問系ナンプレ』に関する書籍のデザインを受注制作した。ご要望としては、「新しいニーズの獲得」を目標にこれまでと違うデザインの方向性で打ち出したいとのこと。「これまでと違う」とはいえ、同業他社のデザインから解離し過ぎることなく、あくまでナンプレの基本的なトンマナを守りながらも「新しさ」で攻めたいとのことだった。
ちなみに本書の正式名は『難解 解放別ナンプレ』である。内容としては、より高みを目指し難問系ナンプレに挑むもその難易度に挫折した読者に対して、「ドリル形式で苦手を克服しよう」と訴求するのが、本書の大きなコンセプトである。
Presentation
ナンプレに関するデザインは初めてだったこともあり、まずは業界内をリサーチしてみたところ、読者の平均年齢は65~80歳と高齢であることや、アルツハイマーといった脳の病気を懸念して書籍を手に取る方が多いことが分かった。
Presentation
そこでまずラフを制作したのは、「苦手克服」を野菜に例え、大人が苦手とする野菜をモチーフにした案。ナンプレのイメージ的には遠い「野菜」をピックし、書店内の陳列において意外性を狙う。シリーズ化も検討してるとのことだったので、カゴメが公式に公開している「大人が嫌いな野菜」を参考に、アスパラガスやトマトなどいくつかのパターンも検討した。
ラフを送付し、クライアント担当者へでデザインが諮られたところ、ビジュアル的にはユニークだが、既存の読者が反発しないかとの懸念をいただく。というのも、紙のパズル冊子の読者は高齢者が多いことは前述のとおりだが、加えて保守的かつ高学歴で自信家な読者が多いと、経験則から推測できるという。そうすると、「初心者向け」というニュアンスがある本案では、読者は若干抵抗を感じるのではないかというのがクライアントの意見であった。
Presentation
そこで提案したのは、健康サプリや医療品のフォーマットを引用する案。本書の特徴や読者のベネフィットを前面に押し出しつつ、他ナンプレ表紙ではあまり類を見ない、まじめで識別性が高く信頼感のある雰囲気を演出し、健康食品や医療品を彷彿とさせるビジュアルに落とし込んだ。打ち合わせの結果、肯定的な意見を貰えたので本案で進行することに。
Presentation
references
資生堂IHADA<イハダ>
https://www.shiseido.co.jp/ihada/?rt_pr=tr450
ユーグレナeuglena 7days
https://www.euglena.jp/
ビジュアルを詰める中で参考にしたのは、ドラッグストアにある医薬品のパッケージ。「認知症やアルツハイマー」対策としてナンプレを嗜む読者のニーズに着目し、商品のベネフィットを前面に押し出し、かつ清潔感のある印象にデザインを仕上げていく。